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nowaからの移行先
Posted by - 2025.05.06,Tue
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Posted by lawrhino - 2008.01.28,Mon
週末、兵庫県立美術館へ「叫び」で有名なムンク展に行ってきた。
ムンクはあまり好きな画家ではない。
好きではない理由は「解り難い」から。
しかし今回、美術展に行って少し考え方が変わった。


自分は昔から絵心がなくて絵を見たとき、直感的に構図の素晴らしさとか、
色使いが〜とかいったような感覚が沸いてくる事がなかった。
その為、単純にリアルに近ければ近いほど絵が上手いと感じるし、
緻密であればあるほど高い技術だと感じる。

その点からいくとムンクの絵は上手いとは思えない。
しかし、最近は絵というものを割と真剣に見るようになったせいか、
今までよりも表現という視点で絵を見る事が多くなった。


今回、表現力という視点でムンクの絵を見てると
やはり彼は偉大だなと気づかされた。

展示されている全ての絵を見て思ったのは、
彼は抽象と具象の表現の使い分けが非常に独特だということ。
ここでいう抽象というのは表現の事で抽象画とかの、
空想の世界のような世界観の事ではない。

描いている対象の抽象表現、いわゆる汎化した表現という事だ。
プロトタイプと呼んでもよいと思う。

プロトタイプ理論では人間は具象に対してその所属を認識する時、
脳内に持ったプロトタイプ(イメージ)に照らし合わせて認識する。
例えば魚を見たとき「ひれを持ってて水中で泳ぐ生物」
という脳内のプロトタイプに照らし合わせて、その具象物を魚と認識すると思う。

彼の場合そのイメージが非常に独特だった。
その表現された絵こそが彼の持っているプロトタイプなのだろう。
そしてその抽象表現で充分に彼の表現したいものが
表現しきれているのかもしれない。
まぁ残念ながら私には伝わらないものも多々あったが。


技巧的には、絵の中の最もスポットを当てたい所とそうでない所を、
抽象化するか具象化するかで表現しているものが多かった。
写真とかでも焦点をあわせるかどうかや明暗で表現したりするので、
普通といえば普通の事なのだが、彼の場合、抽象化そのものが独特なので
その技法が新鮮に感じられた。


例えば有名な「不安」と「絶望」。
構図的には両方ともよく似ていてテーマもネガティブな感情を
表現しているという事ではその差はあまりない。

しかし実際の絵は空の描き方に絞って見ても、
「不安」の方がより抽象的に感じられた。
いや、あれを抽象と具象というのは違うかもしれない。
「絶望」の方が色の境目などがくっきりとしていたんだ。

まぁでもそういう事だ。
「絶望」の方が「不安」に比べ、よりイメージが鮮明なのだろう。
あくまでも私の勝手な解釈なのだが。


また他の部分では、水面に写った月明かりの表現が印象的だった。
ゆれる水面に写った月ってのは、その時点であまり具体的ではない。
それをさらに上手く単純化するのは難しいのかもしれない。
全ての絵で月明かりがどこか浮いた感じを受けた。
或いはそれこそが表現したかった事なのかもしれないが。


今回改めて思った事は、やっぱり絵を見るのは楽しい。
自分の中に蓄積してきた知識や情報によって、
過去に見たそれと比べ、全然違った見え方をする。
文字情報に比べて先入観を持ちにくいので、
見る者によって作品の解釈が極めて多様的なあたりが、
余計そう思わせるのかもしれない。
他の人間が感じた事も見てみたいなぁ。
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Posted by lawrhino - 2007.11.12,Mon
週末に金刀比羅山に行ってきた。
現在、金刀比羅宮で書院の美を公開していて、
若沖、応挙、岸岱などが見れる。
まぁ若沖を見るのが目的だ。


なぜ絵心がなく、プログラマの自分が若沖を好きになったか…?
今回、絵を見ながら少し考えてみた。

1つ目の理由は非常に観察力があって
細部まで緻密に描かれているところ。

コンピューターはあらゆる事を厳密にする必要がある。
そしてプログラマーは性質的に詳細を知りたがるもんで、
必然的に観察力を高める必要がある。
早い話、ブラックボックスが気持ち悪いわけ。

それを見事に詳細まで観察して描きこまれている若冲の絵は
見ててとても気持ちいい。


2つ目は絵の構図や配置に、几帳面さや根拠を感じるところ。
プログラマが必ずしも几帳面なわけではないが、
几帳面さは求められる。
若冲の絵の中で一連の流れなどを描こうとしている時、
そのラインや形成が非常に綺麗なんですよね。
妥協は許さないといった感じ。


そして3つ目にこれは今回見てそう思ったんだけど、
コレクター的にリストアップされた花の絵。

あの絵なんかは正にプログラマらしい気がした。
絵の中に描かれた2,30種類の全ての花が
ユニーク(唯一)に一覧形式で描かれているんだ。
もちろんどれも綺麗で細かい。

並べる順番とか、描き始める順番とか、
随分迷ったんだろうなぁ。。

イメージだけでものを言うけど、
若冲は絵を描くとき閃いたものを一気に、
描きあげるというより、
デザイン(設計)をして構築していくというスタイルで
絵を描いていたんじゃなかろうか。

そんな感覚がたまたま自分自身にフィットしたんだろう。
Posted by lawrhino - 2007.10.29,Mon
週末、大阪天保山のサントリーミージアムで開催中の
ロートレック展に行ってきた。

前知識は全くのゼロ。誰かも知らんかった。
どうも1800年代後期のフランスの人で、
ダンスホールのポスターやら雑誌の表紙のデザイン等で
有名になった人らしい。

凄く大衆色の強い絵が多く、
特に人物の顔が適当に描かれている印象だった。
仮にも舞台の女優や娼婦を描いているのに、
顔の部分だけ見ると男か女かの判断すらできなさそうな絵が
よく受け入れられたものだなぁってのが最初の感想。

素人目には、実はモダンアートのデザインセンスはあるが、
絵を描くのはそんなに上手くないんじゃないの?なんて
考えたりもしてた。

そうこうしながら先の展示品を見ていくと
デッサン調の街並みを描いた絵が出てきたんだけど、
これが凄く緻密で脱帽の上手さ!
やっぱり有名な画家さんはテクニック的にも一流なんですね。

その後も油彩の絵が何点かあったんだけど、
どれもこれも本当に上手い。
大胆な筆使いで塗りつぶした背景が印象的で、
そこに人物も自然に溶け込んでいた。
青緑色を基調にしたものが多く、全体的に暗い印象を受けるが、
暗い感じはすごく好きなので良かったです。


ポスター等はあまり好きになれなかったけど
油彩は非常に楽しめました。


昔は全く興味の無かった絵の世界に最近は興味を
持ち始めてる自分に驚かずにはおられない。
一丁前に「やっぱり生で見る方がいいね」
なんて言うようになっちゃってます。。。
Posted by lawrhino - 2007.10.21,Sun
京都国立博物館で現在開催中の
狩野永徳展
に行ってきた。

狩野永徳は安土桃山時代の絵師で、
織田信長、豊臣秀吉という天下人に仕え、
安土城、聚楽第、大坂城などの障壁画を制作した。(Wiki引用)

感想は・・・「豪華絢爛」に尽きます。
さすが時の権力者達に仕えて描いた絵だけあって、
屏風から襖まで背景全て金箔だらけ。

中でもメトロポリタン美術館に保有の作品(名前忘れたが)
なんかは金箔の状態もよく、さらに金箔を厚塗りして
背景に凹凸間を表現してあり非常に豪華。
アメリカ人とか凄く好きそうな感じのする作品だった。


永徳の作品は豪快な構図だけども
凄く繊細に描き込まれていて、
『洛中洛外図屏風』とか特に凄かった。
細かいのなんの。。。
あれ描きあげるのどれくらいかかるんだろ・・・。
半年や一年じゃ無理なんじゃないだろうか。

ただ、細かいところまでじっくり見たかったけど
人が多すぎて誘導があったため立ち止まって
見れなかったのが残念。

他にも唐獅子や竜といった幻獣の絵もあり非常に迫力があった。
個人的には今日みた作品では唐獅子が一番好きかな。



この展覧会に行く際の一つだけ注意点は、
 ”車で行かない事”
会場には駐車場があるんだけど、
人が多すぎて止めるスペースなんてないだけでなく、
待つスペースもないのだ。

駐車場入り口の前の道に数台並んでいるが、
警備員が「警察に注意されるから」と追い払ってくる。
まぁバスの巡回路になってるから仕方ない。
4時以降の少し人が減ってきたあたりなら、
わりとスムーズに入れると思う。
Posted by lawrhino - 2007.09.26,Wed
今週の月曜日
北欧モダン デザイン&クラフト
に行ってきた。

北欧の有名作家達のデザイン家具展覧会。
おしゃれでスゲー作品がいっぱいだった。
何が凄いって見た目とかは普通にFrancFrancとかの方が
おしゃれに見えるんだけどそこに展示されていた作品は
多くが1960年代とかまだアンティークって
言われるような時代のものばっか。

今でこそ一般大衆レベルでおしゃれなインテリアが浸透してるけど、
既にその頃からハイセンスなインテリアってのはあったんだね。
雰囲気的には結構現代のものに近いものが多く、
デザインって流行というよりは洗練されていくものなのかな?
って思いました。




話は変わるけど、最近物忘れが激しく
普段の活動が偏っているせいなんだと思います。
たまにはこんな感じでマルチな活動をするよう心掛けたいですね。
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